GUIDE
参考書ルートと併用の仕方
Pointnoteは、入試問題を見たときに「どう手を付けるか」という発想・方針立ての力を鍛えるための教材です。でも、方針が立てられることと、それを最後まで正確に解き切れることは別の力です。ここで紹介する参考書たちは、その「解き切る力」を、皆さんの状況に合わせて積み上げていくためのものです。自分に必要なステップを見極めて、着実に進めていきましょう。
入試本番を迎えるまでにやるべきことを、大きく4段階にまとめると次のような流れになります。
学校のドリル・傍用問題集
クリアー・4STEPなど。日々の授業の予習復習も含めて丁寧に
網羅型参考書
チャート式(青/黄)・フォーカスゴールドで全分野の穴をなくす
入試数学の基礎(架け橋)
技・解法のセオリー・問題精講シリーズ・解法の突破口などで、発想と入試問題をつなぐ
入試数学
東京出版・駿台・河合の演習書、そして志望校の過去問
学校行事や部活を満喫していたら、気づけばもうあまり時間が残っていない、やばい……。そうなってしまった場合は、②の網羅型参考書を思い切って飛ばすという判断もアリです。分厚い網羅系参考書を目の前にして、そのボリュームに負けて手が止まってしまうのは、実はよくある話です。網羅型はきちんと仕上げるのに時間がかかるので、普段からコツコツ頑張れていなかった人にとっては、かなりきつい選択肢になってしまいます。
その場合は②を無理に抱え込まず、③の「入試数学の基礎(架け橋)」から効率重視で進めるのも十分にアリな戦略です。
高2の中盤から、遅くとも高3の1学期までには、一度志望校の過去問を解いてみましょう。目的は「解けるようになること」ではなく、自分と志望校という壁との距離や高さを測ることです。そこで見えてきた距離をもとに、自分にはどのレベルの演習がどれくらい必要なのかを、自分自身で考えてみてください。
こうした自己分析や計画立ての時間そのものが、実は大きな成長につながります。逆に、高3の夏が過ぎても志望校との距離感がまったく測れていないとしたら、それはむしろまずいサインです。おそらく、思っている以上に距離があるということだからです。
ステップ1(①): 学校の傍用問題集をとにかく丁寧に
クリアーや4STEP、サクシードなど、学校で配られる傍用問題集と、日々の授業の予習復習。地味に見えますが、これが実は一番大事です。
入試問題は、一見すると大きな一つの塊に見えます。でも実際には、いくつかの典型的なパーツの組み合わせでできています。Pointnoteで鍛えているのは、その塊を見た瞬間に「どう分解するか」を見抜く力です。ただし、分解した先の一つ一つのパーツ、つまり定期考査レベルの典型問題を最後まで正確に解き切る力は、結局のところ学校の勉強や計算ドリル的な反復をどれだけ丁寧に積み重ねてきたかで決まります。ここが疎かなままだと、どれだけ演習量を積んでも点数が頭打ちになり、最後まで伸び切りません。方針立ての力と、解き切る基礎体力。この両方があって初めて入試問題は攻略できます。
問題集
学校で配られる傍用問題集
対象レベル・時期:日々の授業と同じペースでコツコツと- クリアー
- サクシード
- 4STEP
このサイトとの併用の仕方: Pointnoteで方針を立てる力を磨きつつ、こちらで一つ一つのパーツを最後まで正確に解き切る基礎体力をつけましょう。学校で配布される教材なので、購入リンクは対象外です。この段階では、Pointnoteを横に置きながら取り組み、「この問題は何のポイントを身につけるための大問なのか」を考えながら解くのがおすすめです。定量的な部分(具体的な数値)を除いて、定性的な理解(結局その問題に使われている論理は何なのか)まで抽象化できると、勉強の効率が大きく上がります。
ステップ2(②): 網羅して穴をなくす

チャート式(青チャート・黄チャート)数研出版
対象レベル・時期:中3〜高2のうち、または夏休みにこのサイトとの併用の仕方: ③で紹介する技シリーズや解法のセオリーで方針立ての「効率」を磨きつつ、こちらの網羅系で全分野の穴をなくす、という二本柱で使うのがおすすめです。目安は最低1周+毎週末にその週にやった範囲を解き直すこと。これだけをひたすら周回して、あとは過去問などの入試演習だけで乗り切る人もいますが、それは発想力にすでに自信がある人向けのパワープレイ型の戦略です。方針立てに不安がある人は、無理に網羅だけで押し切ろうとせず、③の技や解法のセオリーのような効率重視の一冊を優先しましょう。①と同じく、Pointnoteを横に置きながら「この問題は何のポイントを身につけるための大問なのか」を考えつつ取り組み、定性的な理解まで抽象化することを意識すると効率が上がります。
科目・難易度(青/黄)ごとに冊子が分かれています。書影は「改訂版 チャート式 基礎からの数学I+A」。

フォーカスゴールド啓林館
対象レベル・時期:中3〜高2のうち、または夏休みにチャート式と同じ位置づけの網羅系参考書です。学校で採用されている場合はそちらを使い、されていない場合はチャート式かフォーカスゴールドのどちらか一冊で十分です。使い方はチャート式と同様なので、上記を参照してください。
Amazonで見る(数学I+A 6th Edition)ステップ3(③): 入試数学の基礎を固める(発想と入試問題をつなぐ架け橋)

大学合格のための基礎知識と解法が身につく 技216・技284学研
対象レベル・時期:Pointnoteと並行して日常的にレベル4の問題は超難関大※志望者向けなので、志望校に応じて取捨選択してOKです。
※東大・京大・最難関医学部・一橋大・東京科学大あたりをイメージしています。
このサイトとの併用の仕方: 1問1ポイントというコンセプトがPointnoteと相性抜群。周回してとにかく完璧に仕上げましょう。極端に言えば、これだけを完璧にすればそのまま入試問題演習に進んでもいいくらいの完成度が狙えます。この分野のPointnoteを一度通読してから取り組み、解くときに「これはどのポイントの話か」を自分で当てながら解けると、さらに効果的です。
Amazonで見る(技216 数学ⅠA) Amazonで見る(技284 数学II・B+ベクトル)
入試数学 解法のセオリー河合出版
対象レベル・時期:入試演習に入る前にこのサイトとの併用の仕方: Pointnoteに近い考え方をしている参考書です。発想や方針立てに強くフォーカスしているので、Pointnoteで学んだ内容と重なる部分がたくさん出てくるはず。「あ、これPointnoteで見た」を繰り返しながら、入試演習に入る前にこれを完成させておくと理想的なスタートが切れます。ここでも、その分野のPointnoteを通読してから取り組み、解くときに自分でどのポイントに当てはまるか考えながら解くのがおすすめです。
Amazonで見る技・解法のセオリーが合わない場合: 問題精講シリーズ
技シリーズや解法のセオリーがどうも自分に合わない、と感じたらこちらでもOKです。

問題精講シリーズ旺文社
- 基礎問題精講: 学校の進度に範囲を合わせながら並行して進める
- 標準問題精講: 既習分野が増えてきたら、これを周回して完成度を上げる
- 上級問題精講: トップ層向け
このサイトとの併用の仕方: こちらも同様に、その分野のPointnoteを通読してから取り組み、解くときに自分でどのポイントに当てはまるか考えながら解けると理想的です。
Amazonで見る(基礎問題精講 数I・A) 標準問題精講シリーズ一覧(旺文社公式) 上級問題精講シリーズ一覧(旺文社公式)さらに引き出しを増やしたい人へ: 解法の突破口・数学ショートプログラム・入試数学の掌握

解法の突破口・数学ショートプログラム東京出版
このサイトとの併用の仕方: 技・解法のセオリー・問題精講シリーズなどで基礎の橋渡しができたら、余力に応じてこちらもプラスすると発想の引き出しがさらに増えます。必須ではないので、まずは上の教材を完成させることを優先しましょう。これも同じく、該当分野のPointnoteを通読してから取り組むのがおすすめです。
Amazonで見る(解法の突破口 第3版) Amazonで見る(数学ショートプログラム)入試数学の掌握 総論編(赤)エール出版社
対象レベル・時期:東大・京大・難関医学部志望で、より深く方針立てを鍛えたい人向け「なぜその解法を選ぶのか」という思考プロセスそのものを言語化して教えてくれる、かなり密度の濃い一冊です。Pointnoteで身につけた「どのパーツの組み合わせか」を見抜く感覚を、より難度の高い問題でも通用するレベルまで鍛えたい人におすすめです。総論編(赤)のほかに各論錬磨編・各論実戦編もありますが、まずは総論編から。
Amazonで見る(総論編)ステップ4(④): 入試数学(発展・仕上げ〜過去問演習)
東京出版シリーズ東京出版
対象レベル・時期:③の基礎ができたあと、過去問演習前の仕上げいずれも「大学への数学」の増刊として毎年改訂されるため、最新版は東京出版公式サイトでご確認ください。
弱点分野がある場合は「1対1対応の演習」シリーズでピンポイントに補強するのも良いですし、逆にこちらをメインに据えて学習を組み立てるのも一つの手です。
このサイトとの併用の仕方: ここからはPointnoteを見ずに取り組みましょう。問題が終わったら5分だけ時間をとり、「この問題は何のポイントを使ったか」を自分の頭で考えてみてください。そのあとで該当する章のPointnoteを見に行き、実際にフローチャート通りの発想になっていたか確認し、ついでに周辺のポイントも見直すと効果的です。
ここまで来たら、あとは実戦演習です。基本は志望校の過去問をひたすら解くこと。それに加えて、こんな教材・進め方もおすすめです。

入試演習の教材・進め方
- 旧帝大+一橋大+東京科学大の「過去問旅行」: いろいろな大学の過去問を横断的に解いて、多様な出題形式に慣れる
- 駿台文庫『CanPass(キャンパス)』シリーズ: Amazonで見る
- 駿台文庫『数学精選問題集 良問マルシェ 数学ⅠA・II・B』(松永光雄・八木祐一 著): Amazonで見る(品切れ気味のため中古での入手が中心になります)
- 河合出版『厳選!大学入試数学問題集』: 文系160 / 理系272(河合出版公式)
過去問は、国公立志望で年度数がたくさん残っている大学なら最低15年分、余力があれば20〜25年分は解き切りたいところ。「冠模試」がある大学を受ける場合は、冠模試の過去問もあわせてやっておきましょう。
このサイトとの併用の仕方: 東京出版シリーズと同じく、Pointnoteは見ずに解き、終わったあとに5分振り返って「何のポイントを使ったか」を考え、該当章のPointnoteで答え合わせをするのがおすすめです。
志望大学別:過去問の「読み方」を鍛える講座本
過去問演習に入る前後で、「この大学の問題を見たときに何を感じ、どう方針を立てるか」を丁寧に言語化してくれるシリーズも紹介しておきます。入試問題を見た最初の数分でどう考えるか、という過去問演習で一番言語化しにくい部分を扱ってくれているのが特徴です。
京大志望者にはもちろんどなたにもおすすめしますが、特に数学で勝負したい難関大志望者には、池谷先生の京大シリーズをやり込むことを強くおすすめします。もう少し難易度を抑えたいという場合は、阪大シリーズの方でも同じ考え方の練習ができます。

世界一わかりやすい 阪大の理系数学 合格講座池谷 哲・KADOKAWA
Amazonで見る
世界一わかりやすい 京大の理系数学 合格講座池谷 哲・KADOKAWA
Amazonで見る
世界一わかりやすい 京大の文系数学 合格講座池谷 哲・KADOKAWA
Amazonで見る阪大シリーズは現時点では理系版のみの刊行です(文系版は未刊行)。

東大数学で1点でも多く取る方法 理系編[第5版]安田 亨・東京出版
Amazonで見る
東大数学で1点でも多く取る方法 文系編[第6版]安田 亨・東京出版
東京出版公式ストアで見るこのサイトとの併用の仕方: どのシリーズも、入試問題を見た最初の5分で何をどう感じ、どう方針を立てるかを言語化してくれています。Pointnoteで鍛えている「見抜く力」を、実際の入試問題レベルでどう発揮するかの橋渡しとして、過去問演習と並行して読むのがおすすめです。
東大・京大志望の場合、大まかなイメージとしては「世界一わかりやすいシリーズをやり込む→赤本(教学社の過去問集)・青本(駿台文庫の過去問集)で仕上げる」で、それで一通り完成、というくらいのゴール感で捉えてもらって大丈夫です。
冠模試の過去問(直前期に)
東大・京大をはじめ、旧帝大クラスの大学の多くには「冠模試」と呼ばれる大学別模試(東大なら東大オープン・東大実戦、京大なら京大オープン・京大実戦など)があります。直前期には、志望校の過去問と並行して、この冠模試の過去問集にも取り組んでおくと、本番に近い形式・難易度の問題に慣れることができます。
- 河合出版『入試攻略問題集』シリーズ: 東大・京大・北大・東北大・名大・阪大・九大など、大学別に河合塾のオープン模試の過去問をまとめたシリーズです。シリーズ一覧(河合出版公式)
- 駿台文庫『実戦模試演習』シリーズ: 同じく大学別に、駿台の実戦模試の過去問をまとめたシリーズです。シリーズ一覧(駿台文庫公式)
東京科学大(東工大)については、上記2シリーズに単独の数学過去問集が見当たりませんでした。冠模試自体(東京科学大入試オープンなど)への参加を通じて過去問に触れる形になると思います。志望校に該当の巻がない場合は、シリーズ一覧から近い難易度・分野の大学の巻で代用するのも一つの手です。
模試前の暗記・思い出し用に、いわば「お守り」としてPointnoteを使ってくれる生徒が多くいました。実際、Pointnoteを大事に使い続けてくれた生徒ほど、よく伸びていた印象があります。
「この問題は結局何を問いたいんだろう」という出題者の意図が見えてくると、数学は一気に楽しくなります。ぜひその感覚を味わってみてください。