2BC 第5章

微分法(数学Ⅱ)

微分法の全体像 - 5つのテーマ -

\[\boldsymbol{微分のテーマは5つ!(関数の3テーマ+2)}\] \[\boldsymbol{①\class{mathkuu}{\underline{接線}},②\class{mathkuu}{\underline{増減・極値}},\color{blue}{③}\class{mathkuu}{\underline{グラフ}},\color{blue}{④}\class{mathkuu}{\underline{方程式・不等式}},\color{blue}{⑤}\class{mathkuu}{\underline{最大最小}}!}\]

主な基本事項

Point 2BC 5.2.1 平均変化率
関数 \(y=f(x)\) において,\(\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}}}\)を,

\(x\) が \(a\) から \(b\) まで変化するときの平均変化率
という。

平均変化率は, 2 点 \(\mathrm{A}(a, f(a)), \mathrm{B}(b, f(b))\) を 通る直線 \(\mathrm{AB}\) の傾きを表す。
C123U180-01
Point 2BC 5.2.2 微分係数
関数 \(y=f(x)\) の \(x=a\) における微分係数 \(f^{\prime}(a)\) は
定数\(a,\ b\)を用いて

\[f^{\prime}(a)=\class{mathkuu}{\underline{\displaystyle\lim_{b \to a} \dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}}}\]

ここで, \(b=a+h\) とおくと, \[f^{\prime}(a)=\class{mathkuu}{\underline{\displaystyle\lim_{h \to 0} \dfrac{f(a+h)-f(a)}{h}}}\] また、関数\(y=f(x)\)の\(x=a\)における微分係数\(f'(a)\)は,
この関数のグラフ上の点\((\class{mathkuu}{\underline{a}},\ \class{mathkuu}{\underline{f(a)}})\)における接線の傾きを表す。
C123U182-02
Point 2BC 5.2.3 微分係数は何を意味している?
グラフを、時間とともに変化する「テンション(気分の高さ)」の記録だと考えてみよう。

上のグラフで、点Pと点Qはテンションの値がほぼ同じだったとする。しかし、この2点が表している状況は同じだろうか。

点Pのまわりでは、テンションはこれからどんどん上がっていく勢いがある。一方、点Qのまわりでは、値は高いもののこれから下がっていく途中である。

つまり、グラフの「高さ」だけを見ていても分からない、その瞬間瞬間の勢い(変化の方向と大きさ)という情報が、グラフの中には隠れている。

この「勢い」を、その点での接線の傾きとして数値化したものが微分係数である。
微分係数の意味
Point 2BC 5.2.4 導関数の定義
一般に,関数\(y=f(x)\)において, \[ x\text{の値}a\text{に微分係数}f'(a)\text{を対応させる関数}\boldsymbol{f'(x)} \] を考え,これを\(f(x)\)の導関数という。

(要するに微分係数はある1点\(x=a\)での接線の傾きだが、その\(a\)を変数\(x\)におきかえて、\(x\)に好きな値を代入することでその点における接線の傾きがでてくるような関数に変えたもの)

\[ \quad \quad \quad f'(x)=\class{mathkuu}{\underline{\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}}} \left( =\displaystyle\lim_{\Delta x\to 0}\dfrac{\Delta y}{\Delta x} =\displaystyle\lim_{\Delta x\to 0}\dfrac{f(x+\Delta x)-f(x)}{\Delta x} \right) \]

上の導関数\(f'(x)\)の式で,\(x\)の値の変化量\(h\)を\(\class{mathkuu}{\underline{xの増分\left( \Delta x \right)}}\)といい,\(y\)の値の変化量\(f(x+h)-f(x)\)を\(\class{mathkuu}{\underline{yの増分\left( \Delta y \right)}}\)という。

\(x\)の関数\(f(x)\)からその導関数\(f'(x)\)を求めることを,\(f(x)\)を\(\class{mathkuu}{\underline{x}}\)について微分する,あるいは単に微分するという。
Point 2BC 5.2.5 \(x^n\)の導関数と定数関数の性質
\(k,\ l\)が定数のとき、以下の性質が成り立つ。

(1) \(y=x^nのとき,\ \)\(y^{\prime}=\class{mathkuu}{\underline{n x^{n-1}}}\) (\(n\) は自然数)

(2) \(y=k\) のとき,\(\quad y^{\prime}=\class{mathkuu}{\underline{0}}\) このように常に一定の値をとる関数を\(\class{mathkuu}{\underline{ 定数関数 }}\)という。

(3) \(y=k f(x)\) のとき, \(\quad y^{\prime}=\class{mathkuu}{\underline{k f^{\prime}(x)}}\)

(4) \(y=kf(x) + lg(x)\) のとき, \(\quad y^{\prime}=\class{mathkuu}{\underline{kf^{\prime}(x) + lg^{\prime}(x)}}\)   (線形性)

:\(y=f(x) g(x)\) のとき, \(\quad y^{\prime}=f^{\prime}(x) g^{\prime}(x)\) は間違い!!掛け算はダメ。(詳細は数3で)
Point 2BC 5.2.6 極限値
関数\(f(x)\)において,\(x\)が\(a\)と異なる値をとりながら\(a\)に限りなく近づくとき,\(f(x)\)がある一定の値\(\alpha\)に限りなく近づく場合, \[\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)=\class{mathkuu}{\underline{\alpha}}\quad \ または\ \ x\longrightarrow a のとき、f(x)\longrightarrow \alpha\] と書き、この値\(\alpha\)を,\(x\longrightarrow a\)のときの\(f(x)\)の極限値という。
Point 2BC 5.2.7 関数の極限値の性質
\(\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)=\alpha\), \(\displaystyle\lim_{x\to a}g(x)=\beta\)とし、 \(k,l\ を定数\)とするとき、以下の性質が成り立つ。
(1) \(\displaystyle\lim_{x\to a}kf(x)=\)\(k\alpha\)

(2) \(\displaystyle\lim_{x\to a}\{f(x)+g(x)\}=\)\(\alpha+\beta\),


\(\displaystyle\lim_{x\to a}\{f(x)-g(x)\}=\)\(\alpha-\beta\)
(3) \(\displaystyle\lim_{x\to a}\{kf(x)+lg(x)\}=\)\(k\alpha+l\beta\)
(線形性) ((1), (2)は(3)の特殊な場合)

(4) \(\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)g(x)=\)\(\alpha\beta\)

(5)\(\displaystyle\lim_{x\to a}\dfrac{f(x)}{g(x)}=\)\(\dfrac{\alpha}{\beta}\)  ただし\(\beta \mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}}0\)
Point 2BC 5.2.8 接線の方程式を求めるまでの流れのまとめ
ex.) グラフ \(y=f(x)\) 上の点 \(x=3\) における接線の方程式が知りたい。

→まずは接線の傾きを知りたい。

→\(毎回微分係数の定義からf^\prime (3)を求めるのは大変なので、\)

まずは\(f(x)からf^\prime(x)\)(導関数)を求める。
(この作業が微分!)

→\(f^\prime(x)にx=3を代入したf^\prime (3)\)(微分係数)が接線の傾き!
接線の方程式を求める流れ
先に公式で簡単に\(f^\prime(x)\)を求めてしまって、あとは好きな値を代入して好きな微分係数がわかるというシステム
Point 2BC 5.2.9 接線の方程式
曲線 \(y=f(x)\) 上の点 \((a, f(a))\) における接線の方程式は, \[\class{mathkuu}{\underline{y-f(a)}}=\class{mathkuu}{\underline{f^{\prime}(a)(x-a)}}\]
Point 2BC 5.2.10 法線の方程式
曲線 \(y=f(x)\) 上の点 \((a, f(a))\) における法線の方程式は, \[\class{mathkuu}{\underline{y-f(a)}}=\class{mathkuu}{\underline{-\dfrac{1}{f^{\prime}(a)}(x-a)}} \quad (ただし,f^\prime(a) = 0のとき, 直線\class{mathkuu}{\underline{x = a}} )\] ※陽関数表示の直線の方程式(\(y=\))では,\(x\)軸に垂直な直線は表せない。
Point 2BC 5.2.11 関数の増減と極大・極小
ある区間で  常に\(f^\prime (x)>0\)ならば、\(f(x)\)はその区間で単調に増加する。
      常に\(f^\prime (x)<0\)ならば、\(f(x)\)はその区間で単調に減少する。
      常に\(f^\prime (x)=0\)ならば、\(f(x)\)はその区間で定数である。(これは逆向きも○)

なお、逆に区間で常に単調に増加or減少するからといって常に\(f^\prime (x)\gtrless 0\)であるとは限らない。

\(y=x^3\)などを想像すればわかりやすいが、ある\(x\)で一瞬\(f^\prime (x)=0\)であっても単調増加or減少。

\(f^\prime (x)\)の符号が、\(x=a\)の前後で\(正から負\)に変わるとき\(f(a)\)は極大値
\(f^\prime (x)\)の符号が、\(x=a\)の前後で\(負から正\)に変わるとき\(f(a)\)は極小値をとる。
極大値と極小値をまとめて極値という。
Point 2BC 5.2.12 単調増加・単調減少についての注意点
タップして詳細を見る 一般の関数\(f(x)\)の場合は,区間内に定数関数の部分を含む可能性があるので \[\ \ 「常にf^\prime (x)\color{red}{\geqq}0\ \Longrightarrow\ f(x)は単調増加」                   \ \] \[「常にf^\prime (x)\color{red}{\leqq}0\ \Longrightarrow\ f(x)は単調減少」\color{red}{とは言わない。}(※1:教科書の定義では)。\] が,例えば3次関数など,\(f(x)\)が定数関数でなく1次以上の多項式で表される関数の場合は, \[常にf^\prime (x)\color{red}{\geqq}0\ \color{red}{\iff}\ f(x)は単調増加\] \[常にf^\prime (x)\color{red}{\leqq}0\ \color{red}{\iff}\ f(x)は単調減少\] が成り立つ。(定義域の中に,同じ値がしばらく続くような定数関数の部分はないので)

※1:これは,単調増加は定数関数の部分を含まないとする狭義単調増加と呼ばれる定義においてであり,高校数学では基本的に狭義単調増加で記載する。それに対し,広義単調増加といい,定数関数の区間があっても単調増加とすることもあり,参考書によってはあまり区別していないものもある。ひとまず教科書通り狭義単調増加のスタンスでいよう。

方針を立てる上での重要ポイント

Point 2BC 5.3.1 曲線上にない点から引いた接線
「曲線\(y=f(x)\)上にない定点を通る接線」ときたら\(\cdots\cdots\)

接点\((t,\ f(t))\)とおけ!
Point 2BC 5.3.2 【頻出問題】共通接線(接点同じタイプ)
2曲線\(y=f(x), y=g(x)\)が\(x=p\)の点で接する

ための必要十分条件は, \[\begin{aligned} \left\{ \begin{alignedat}{4} &\class{mathkuu}{\underline{f(p)=g(p)  }}  \text{(接点が同じ)}\\ &\class{mathkuu}{\underline{f^\prime (p)=g^\prime(p)  }} \text{(接線の傾きが同じ)} \end{alignedat} \right. \end{aligned}\]
2曲線が接する条件
Point 2BC 5.3.3 【頻出問題】共通接線(接点異なるタイプ)
【解法1】わからない接点2つを\((s,f(s))\),\((t,f(t))\)とおいてそれぞれの接線が一致する。


【解法2】(二次関数の場合に有効):片方の接点を置き、接線の式を求める
→この直線がもう片方の二次関数に接するので,

判別式\(D=\class{mathkuu}{\underline{0}}\)
共通接線2
Point 2BC 5.3.4 2直線の一致に関する注意点
一つの直線を2通りで表せたとき,すなわち,「\(ax+by+c=0\)と\(a'x+b'y+c'=0\)が一致する」という状況になったとき,\(a=a',\ b=b',\ c=c'\)のように係数比較するのは危険。

(反例:\(3x+5y+7=0\)と\(6x+10y+14=0\)は同じ直線を表す方程式)正確には,\(a:a'=b:b'=c:c'\)である。なお,2つとも\(y=\)の形であれば,\(y\)の係数が1と固定されているので,係数の比が等しい,すなわち係数が等しいとしてよい。

(cf. 図形と方程式Point2.4.1(2直線の一致に関する注意点))
Point 2BC 5.3.5 【有名問題】接線の本数問題
・接点を \( (t, f(t)) \) とおいて、接線を数式化。

基本(接点 \( t \) の個数) = (接線の本数) であるので、 \( t \) についての方程式の解の個数を調べる!

※4次関数以上だと,接点の数と接線の本数が1:1に対応しなくなるので注意!

接線の本数問題
Point 2BC 5.3.6 極値をとるための条件
「\(f(x)\)が\(x=\alpha\)で極値をとる\(\implies\)\(f^\prime (\alpha)=0\)」であるが、この逆は常に成り立つとは限らない。
つまり、「\(f^\prime (\alpha)=0\)」であることは、「\(f(x)\)が\(x=\alpha\)で極値をとる」ための必要条件であるが、十分条件ではない。
(\(x=\alpha\)の前後で符号が変わること(十分性)を確認しなければならない。 ex.) \(y=x^3\)
Point 2BC 5.3.7 面倒な極値の計算テクニック
極値の\(x\)座標が無理数などで面倒なときは・・・ \[「f(x)を\class{mathkuu}{\underline{f^\prime(x)}}で割った式」に極値のx座標を代入せよ!\]
ex.) \(f(x)=x^3-6x^2+3x+2\) の極大値を求めよ。
\(f^{\prime}(x)=3\left(x^2-4x+1\right)\) より, \[f^{\prime}(x)=0 \iff x=2 \pm \sqrt{3}\]
\(x\) \(2-\sqrt{3}\) \(2+\sqrt{3}\)
\(f^{\prime}(x)\) \(+\) 0 \(-\) 0 \(+\)
\(f(x)\) \(\nearrow\) 極大 \(\searrow\) 極小 \(\nearrow\)
このまま\(x=2-\sqrt{3}\)を\(f(x)\)に直接代入すると,3乗・2乗の計算が絡んで面倒。

→そこで\(f(x)\)を\(f^{\prime}(x)\)で割り算すると, \[f(x)=\left(\frac{1}{3} x-\frac{2}{3}\right) f^{\prime}(x)-6x+4\] 極値の\(x\)座標では\(f^\prime(x)=\class{mathkuu}{\underline{0}}\)なので,右辺第1項がまるごと消え, \[極大値\ f(2-\sqrt{3})=0-6(2-\sqrt{3})+4=\color{red}{6\sqrt{3}-8}\] のように,割り算の余りに極値の\(x\)座標を代入するだけで済み,3乗・2乗の計算をせずに求められる。
Point 2BC 5.3.8 3次関数が極値をもつ・もたない条件
\(f(x)\) を 3次関数とするとき

(1) \(f(x)\) が \(x=a\) で極値とる \(\Rightarrow f^{\prime}(a)=0\) (逆は成り立たない)

(2) \(f(x)\) が極値もつ \(\iff f^{\prime}(x)=0\) の判別式 \(D>0\)

(3) \(f(x)\) が極値もたない \(\iff f^{\prime}(x)=0\) の判別式 \(D\leqq0\)

 (\(f^{\prime}(x)\)の符号が変わらない)
Point 2BC 5.3.9 \((x-c)^2\)で割り切れるための条件
\( f(x) \) は 2 次以上の多項式、\( c \) は実数とする。\( f(x) \) が\((x-c)^2\)で割り切れる,すなわち
\( c \) が方程式 \( f(x) = 0 \) の重解である \(\iff\) \( \class{mathkuu}{\underline{f(c)}} = \class{mathkuu}{\underline{f'(c)}} = 0 \) が成り立つ。
具体例で考えると,\( f(x) = (x-3)^2 \)のとき, \(f(3)=0\)はもちろん成り立つ。\(f(x)\)を微分すると, \( f'(x) = 2(x-3) \)となり,\((x-3)\)のカタマリが残るイメージ。 \( f(x) = (x-3)^2(x+2) \)のように3次以上でかつ他の解をもったとしても同様。(数3で積の導関数を学ぶと,展開しなくともイメージがつきやすい。)
Point 2BC 5.3.10 方程式の実数解とグラフ〜定数分離・直線分離〜
・\(f(x)=0\)の実数解 \(\iff\)曲線 \(y=f(x)\)と直線 \(y=0\ (x軸)\)共有点の\(x\)座標と考える。
・\(f(x)=k\)の実数解 \(\iff\)曲線 \(y=f(x)\)と直線 \(y=k\)の共有点の\(x\)座標(定数分離)
・\(f(x)=ax\)の実数解 \(\iff\)曲線 \(y=f(x)\)と直線 \(y=ax\)の共有点の\(x\)座標(直線分離)
・これらを一般的にまとめると, \[f(x)=g(x)の実数解\iff 2曲線\ y=f(x)とy=g(x)の共有点のx座標\] \[\boldsymbol{ポイントは、\color{red}{比べやすいグラフで比べる}こと}\] ①:一方の曲線は固定したまま,もう一方の直線を動かして交点の変化を追う
→1. 定数分離  2. 直線分離
②:扱う関数の種類ごとに,交点の調べ方を整理する(応用)
Point 2BC 5.3.11 【復習】解の個数(配置)問題ときたら・・・
解の個数問題_樹形図
上の樹形図のうち,特に2次方程式の「判別式・軸・端点」は既習の内容。特に3次方程式の場合の考え方は,次のポイントで扱う。
Point 2BC 5.3.12 3次方程式の実数解の個数と極値
上のポイントの,数学Ⅱで!について。2次方程式の「判別式・軸・端点」と同様に・・・
3次方程式の解の個数
(1) 極値の正負(2次方程式でいう判別式)
(2) 極大・極小の位置 (2次方程式でいう軸)
(3) 端点(2次方程式でいう端点)に着目!
Point 2BC 5.3.13 3次方程式の解の個数問題
3次方程式\(f(x)=0\)の解の個数を調べるときは,次の順序で考えるとよい。

① まず因数分解できないか確認する。できれば,1解が確定するので残りは2次方程式の解の個数問題に帰着する。
② 因数分解できなければ,定数分離・直線分離ができないか確認する。
③ どちらもできなければ,極値の正負で判断する。極値をとる\(x\)座標を\(\alpha,\ \beta\)(\(\alpha<\beta\))とすると, \[実数解1個\iff f(\alpha)f(\beta)\color{red}{>}0\ または極値をもたない\] \[実数解2個\iff f(\alpha)f(\beta)\color{red}{=}0\] \[実数解3個\iff f(\alpha)f(\beta)\color{red}{<}0\]
Point 2BC 5.3.14 方程式の解の存在の証明
○次方程式\(f(x)=0\)について,下のことを用いて解の存在を示すことができる。 \[「\class{mathkuu}{\underline{f(p)f(q)}}<0\ (つまり,f(p)とf(q)が異符号)ならx=pとx=qの間に解あり!」\]

ex.) \(f(x)=x^3-x-1\) とすると,\(f(1)=-1<0,\ f(2)=5>0\) で異符号だから,方程式\(x^3-x-1=0\)は\(1<x<2\)の範囲に実数解をもつ。

※詳しくは数学Ⅲで習う。中間値の定理という。
Point 2BC 5.3.15 不等式の証明
等式\(大\geqq 小\)の証明ときたら・・・

→原則:\(大-小\geqq 0\)を示す!

    方針立てのテクニックは・・・


  1. やっぱりまずは因数分解を考える。(積の形を作る)
  2. 2乗の和を作る。(平方完成)(\((実数)^2\geqq 0\)利用)
  3. 関数と見て、最小値\(\geqq 0\)を示す

    (その際グラフは比べやすいグラフで比べる)
  4. 有名不等式利用(\((実数)^2\geqq 0\),相加相乗、コーシー・シュワルツ、三角不等式 etc...)
    ※他にも,整数や数列など自然数\(n\)に関する不等式では代入して実験,帰納法なども。


(i)の例)因数分解を考える
任意の実数\(x\)に対して,\(\sin x\cos x+2\cos x-\sin x-2\leqq 0\)が成り立つことを示せ。
\[(左辺)=\cos x(\sin x+2)-(\sin x+2)=(\cos x-1)(\sin x+2)\] \(-1\leqq \sin x\leqq 1\)より\(\sin x+2>0\)は常に成り立つ。また\(-1\leqq \cos x\leqq 1\)より\(\cos x-1\leqq 0\)。
よって\((負または0)\times(正)\leqq 0\)より,与式が成り立つ。(このように常に正(負)となる因数を括り出すと,調べる対象を減らせる)


(ii)の例)2乗の和を作る(平方完成)
任意の実数\(x,y\)に対して,\(x^2-xy+y^2\geqq 0\)が成り立つことを示せ。
\(x\)の2次式とみて平方完成すると, \[x^2-xy+y^2=\left(x-\dfrac{1}{2}y\right)^2+\dfrac{3}{4}y^2\] \(x,y\)は実数なので\(\left(x-\dfrac{1}{2}y\right)^2\geqq 0\)かつ\(\dfrac{3}{4}y^2\geqq 0\)。よって和も0以上(等号成立は\(x=y=0\)のとき)。


(iii)の例)関数と見て,最小値\(\geqq 0\)を示す
\(x\geqq 0\)のとき,\(x^3+2\geqq 3x\)が成り立つことを示せ。
\(f(x)=x^3-3x+2\)とおくと,\(f'(x)=3x^2-3=3(x-1)(x+1)\)。\(x\geqq 0\)における\(f(x)\)の増減を調べると,\(x=1\)で最小値\(f(1)=\class{mathkuu}{\underline{0}}\)をとる。よって\(x\geqq 0\)で\(f(x)\geqq 0\),すなわち\(x^3+2\geqq 3x\)が成り立つ。


(iv)の例)有名不等式利用(相加相乗平均など)
\(a>0\)のとき,\(a+\dfrac{4}{a}\geqq 4\)が成り立つことを示せ。
\(a>0\)より\(\dfrac{4}{a}>0\)であるから,相加相乗平均の関係より \[a+\dfrac{4}{a}\geqq 2\sqrt{a\cdot \dfrac{4}{a}}=\class{mathkuu}{\underline{4}}\] (等号成立は\(a=\dfrac{4}{a}\)かつ\(a>0\),すなわち\(a=2\)のとき)
Point 2BC 5.3.16 【重要】関数の最大最小 全体像
キホン,微分が活躍するのはグラフを描いて最大最小を求める1変数関数の①のルート。
作成中プレースホルダー
Point 2BC 5.3.17 図形量の最大最小
図形に関する量(面積・体積・長さなど)の最大最小を求める問題は,大きく2通りのアプローチがある。

① 幾何的に解く:図形を実際に動かしてみて,最大(最小)になりそうな状況を視覚的に見つける。

② 代数的に解く:動く量を文字でおき(このとき文字の変域を必ず確認),求めたい図形量をその文字の式で表すことで,関数の最大最小問題に持ち込む。文字は,数式化しやすいところに置くのがコツ。
Point 2BC 5.3.18 カタマリ微分〜微分のテクニック〜
数Ⅲで扱う内容だが,傍用問題集に載っていることもあるので簡単に触れておく。

\((x+3)^3\)を微分したいとき,教科書通りにやるなら展開してから1項ずつ微分することになるが,実は展開せずに,\(x+3\)をひとカタマリ●とみて\(●^3\)を微分するだけでも正しい答えが求まる。すなわち, \[\{(x+3)^3\}^{\prime}=3(x+3)^2\] これが正しく微分できている。展開してから微分した結果と一致するか,確かめてみよう。

これは数学Ⅲで習う「合成関数の微分法」の一例で,一般には \[\{(ax + b)^n\}' = n(ax + b)^{n-1} \cdot (ax + b)' = an(ax + b)^{n-1}\] のように,「カタマリの中身を微分したもの」を最後にもう一度掛ける必要がある。ただし\(x\)の係数が1のときは\((x+3)^{\prime}=1\)なので,掛けても答えが変わらず,何も気にせずカタマリのまま微分してよいのである。一方,\(x\)の係数が5のときは\((5x+3)^{\prime}=5\)なので,\(\{(5x+3)^3\}^{\prime}=3(5x+3)^2\cdot 5=15(5x+3)^2\)のように,最後に5を掛け忘れないよう注意しよう。
Point 2BC 5.3.19 3次関数は変曲点で点対称〜5点8マス〜
3次関数のグラフは,下図のど真ん中の点(変曲点という)を中心に,極値など重要な5点を含めて8個の長方形のマスに綺麗に収まることを知っておくと,極値の値や\(x\)座標などを計算をせずに求められたりと役に立つことがある。

また,3次関数のグラフは変曲点に対して点対称であることも押さえておこう。
5点8マス
Point 2BC 5.3.20 3次関数の概形一覧
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